日本にある沢山の苔の中 でも際立って美しく、触り心地はまるでビロードのような苔に「山苔」がありますが、
その山苔の中でも、比較的採取しやすくまた育てやすいのが「ホソバオキナゴケ」です。
艶のある葉がビロードのように密集して生え、美しいグリーン色をしています。
生え方としては、こんもりとしたコロニーを形成する苔らしい苔だと思います。
あの京都の苔寺で知られる西芳寺でも、一番よく使われていて
まるで美しいグリーン色のビロードのじゅうたんのような苔の景観で一際目立っている苔です。
お寺では通称ビロード苔といわれているその苔こそが、
このホソバオキナゴケなのです。
オキナとはお能の「翁(おきな)」からきています。
乾燥するとまるで翁の白髪のように葉が白く変化します。
水をかけるとまた緑色に戻ります。
苔の性質
強い日差しを嫌う性質があります。
安定して湿度が供給されるような半日陰の地で、木の根元や森林の中の腐った木の上などに自生しています。
適度な湿度は必須ですが、雨が直接当たるような場所は好みません。
また暑さを嫌い、涼しい環境を好みます。
潮風が通るような海沿いには自生しません。